北太平洋のメカジキは、遠洋まぐろはえなわ漁業(岩手県、宮城県、福島県、東京都、神奈川県、静岡県、三重県、高知県、鹿児島県)近海まぐろはえ縄漁業(宮城県、高知県、宮崎県)でその大部分が漁獲されている。漁業収入のトレンドは比較的高かった。収益率と漁業関係資産のトレンドについて、全国平均値の会社経営体のデータを用いた結果、収益率については低く、漁業関係資産については高かった。経営の安定性について、収入の安定性と漁獲量の安定性は中程度であった。漁業者組織の財政状況は未公表の組織が多く低い評価にとどまった。操業の安全性は高かった。地域雇用への貢献は高いと判断された。労働条件の公平性については、漁業で特段の問題はなかった。
対象都道府県には多くの小規模市場があるものの、買い受け人は各市場とも取扱数量の多寡に応じた人数となっており、セリ取引、入札取引による競争原理は概ね働いている。取引の公平性は確保されている。関税は基本が5%であるが、WTO協定、ASEANで3.5%、特別特恵を結ぶ数カ国は無税となっている。卸売市場整備計画により衛生管理が徹底されている。 仕向けは加熱用食材が主である。労働条件の公平性も特段の問題はなかった。以上より、本地域の加工流通業の持続性は高いと評価できる。
先進技術導入と普及指導活動は行われており、物流システムも整っていた。県内自治体の財政状況は全体平均で3点であった。水産業関係者の所得水準は比較的高い。メカジキは日本の食文化を代表する刺身商材として利用され、地域ごとに特色ある漁具漁法が残されており、伝統的な加工技術や料理法があることに加えて異業種間交流で新たな活用法も生まれている。