本種は重要な水産資源であり、資源生態に関する調査研究は古くから進められてきた。分布・回遊、年齢・成長・寿命、成熟・産卵に関する知見は、学術論文や報告書として蓄積されており、資源評価の基礎情報として利用可能である。漁獲量・努力量データの収集、新規加入量に関する調査船調査、および水揚物の生物調査等の定期的な科学調査等のモニタリングが毎年行われている。このように定期的に収集される漁業データ、科学調査データに基づき、年齢別漁獲尾数の収集および資源量推定が行われ、資源評価が毎年実施されている。資源評価の内容は公開の場を通じて利害関係者の諮問やパブリックコメントを受けて精緻化されている。
親魚量及び資源量から、資源水準及び動向を、それぞれ判断した。資源水準の区分を2000年から2017年の親魚量の最高値(2005年、8,000トン)とBlimit(3,600トン)の間を3等分する境界とした。2017年の親魚量は7,800トンであり、高位と判断した。資源動向は、最近5年間(2013~2017年)の資源量の推移から、増加と判断した。
現状の漁獲圧(Fcurrent)はFlimit(Fmed)よりも低い、現状の漁獲圧が続いた場合2024年の資源量は増加すると予測される。資源評価結果を受けて設定されたABC、並びに予防的措置は漁業管理方策に反映されていない。産卵期の成魚が主な漁獲対象であり、若齢魚への漁獲圧は低く、特段の漁業管理方策は策定されていない。遊漁による漁獲は小さいため資源管理に考慮されず、外国漁船及びIUU漁業による漁獲はない。