サスティナブルでヘルシーなうまい日本の魚プロジェクト

Sustainable, Healthy and “Umai” Nippon seafood project

サスティナブルでヘルシーな
うまい日本の魚プロジェクト

資源の状態

スケトウダラ(北海道 日本海)

対象種の資源生物研究・モニタリング・評価手法

 スケトウダラの資源生態に関する調査研究は古くから積極的に進められてきた。分布・回遊、年齢・成長・寿命、成熟・産卵に関する知見は、学術論文や報告書として豊富に蓄積されており、資源評価の基礎情報として利用可能である。漁獲量・努力量データの収集、定期的な科学調査、漁獲実態のモニタリングも毎年行われている。このように定期的に収集される漁業データ、科学調査データに基づき、年齢別漁獲尾数が推定され、チューニングVPAにより各漁期年の年齢別資源尾数が1980年から推定されている。当該解析手法については複数の外部有識者(大学の専門家)によるチェックを毎年受けることで客観性を担保し、資源評価の内容は複数の外部有識者の助言や関係する道県の水産試験研究機関の意見を受けて精緻化されているほか、資源評価会議での議論内容は一般に公表されている。

引用文献▼ 報告書

対象種の資源水準と資源動向

 1980年以降の親魚量から、2019年漁期の親魚量の資源水準は限界管理基準値(SBlimit)案以下と判断した。資源の動向は、2015~2019年漁期の親魚量の推移から増加と判断した。

引用文献▼ 報告書

対象種に対する漁業の影響評価

 2019年漁期の親魚量はMSYを実現する水準を大きく下回っている。また、2019年漁期の漁獲圧はMSYを実現する漁獲圧(Fmsy案)を下回っている。現状の漁獲圧で漁獲を続けた場合、親魚量は増加するが、2031年漁期に限界管理基準値案(MSYの60%の漁獲が得られる親魚量)を上回る確率は35%と予測された。毎年のTAC(漁獲可能量)は資源評価の結果に基づき水産政策審議会での諮問を経て設定されている。資源評価結果に基づき有識者、利害関係者を交えて管理方策を検討し資源管理に反映される仕組みが確立されている。

引用文献▼ 報告書