ヤナギムシガレイは、東北の南部海域の底びき網漁業の重要種であり、資源生態に関する情報の蓄積がある。分布や回遊、年齢や成長および成熟と産卵に関する情報は蓄積されており、資源評価の基礎知見として利用可能である。漁獲量・努力量データの収集、定期的な科学調査、漁獲実態モニタリングも行われている。
資源水準は、資源量および沖底CPUEから判断した。資源量とCPUEはいずれも中高位の境界よりも上に位置することから、高位水準と判断した。また、最近5年間の資源量およびCPUEはともに増加していたことから、動向は増加と判断した。
震災以降、漁獲圧は低下しており、資源状態は良い。現在の加入と漁獲圧が同水準で続く場合、資源は大きく減少しないことがシミュレーションによって示されている。また、自主的管理方策として、2003~2010年には資源回復計画、2011年以降には資源管理指針・計画が行われており、資源状況を改善させる自主的努力が行われている。