サスティナブルでヘルシーなうまい日本の魚プロジェクト

Sustainable, Healthy and “Umai” Nippon seafood project

サスティナブルでヘルシーな
うまい日本の魚プロジェクト

漁業の管理

サンマ(岩手県)

管理施策の内容

 ここではMCS+E(漁業管理の4つの要素)のうち、C(管理措置の内容)をみる。評価対象とした北太平洋さんま漁業は、公的なインプット・コントロールとしての大臣許可漁業であり、北太平洋漁業委員会(NPFC)でも公海において資源評価結果が固まらないうちは操業漁船を追加許可しないこととなっている。TAC魚種であり、国内的にはアウトプット・コントロールもなされているが、公海域では全体及び各国の漁獲上限についての取り決めは先送りされている。公的に操業期間は8月から12月とされ、操業海域も決められている。船上選別機は設置が禁止され、操業にLED光源を導入して大きく省エネに貢献している。船内で発生したゴミ、不要漁具等は陸上で適正に処理されており、陸上での清掃活動にも参加している。以上により、特に国内では高度な管理施策が実施され、国際的にも実施されつつある。

引用文献▼ 報告書

執行の体制

 ここではMCS+E(漁業管理の4つの要素)のうち、S(順守状況の監視)とE(罰則・制裁措置)をみる。評価対象の北太平洋さんま漁業は国内的にも、国連海洋法でいう高度回遊性の種であるため国際的にも、法的、空間的に整合的な管理体制が実現している。監視体制については、国内、日ロ水域では体制が整っているが、公海域においては一部NPFCでのIUU船への取締対処が必要である。漁業関係法令に違反した場合は許可の取り消し等の処罰が課される。外国船の日本水域における違法操業は臨検、拿捕の対象となる。IUU漁船を取り締まる公海乗船検査手続きも進められた。国内的にはTAC魚種であり毎年順応的管理が進められてきた。今後NPFCでの協議結果を受けた順応的管理施策策定に関心が持たれる。

引用文献▼ 報告書

共同管理の取り組み

 北太平洋サンマ漁業者は全ての漁業者を公的に特定でき、業種別漁業協同組合である全国さんま棒受網漁業協同組合を組織して全員がこれに所属している。また地元沿海漁協にも加入している。全漁業者によってさんま資源の保存及び管理に関する協定が締結され、また漁船規模別操業開始や漁獲平準化のための休漁等を自主的に実施してきており、全国さんま棒受網漁協や地方公共団体(地域漁協)でも海外販路の開拓に努め、地域沿海漁協ではブランドサンマの販売促進に取り組んできた。自主的及び公的管理への主体的な参画も進んでおり、水産政策審議会資源管理分科会には利害関係者も参画している。高度の共同管理は高く評価できる。

引用文献▼ 報告書