キハダは重要な水産種であり、資源生態に関する調査研究は積極的に進められてきた。分布・回遊、年齢・成長・寿命、成熟・産卵に関する知見は、学術論文や報告書として蓄積されており、資源評価の基礎情報として利用可能である。漁獲量・努力量データの収集、科学調査、漁獲実態のモニタリングも毎年定期的に行われている。これらの定期的に収集される漁業調査データに基づき、四半期別・漁法別漁獲量、各漁業による漁獲物の体長頻度データ、及び標準化された資源量指数が推定され、Multifan-CLを使用した資源評価がおおよそ3年ごとに実施されている。
Spawning Biomass ratio(漁業がないと仮定して推定した現在の状態の産卵資源量を1.0としたときの、実際の産卵資源量の割合)は近年減少傾向にあり、2015年の48ケースの中央値は0.37とされた。資源の水準は低位~中位、動向は横ばいと判断された。
資源は過剰漁獲状態になく、乱獲状態にも陥っていないと評価された。太平洋共同体事務局(SPC)の資源評価結果はWCPFC科学委員会において承認され、WCPFC年次会合において管理措置が決定されている。