ビンナガは重要な水産種であり、資源生態に関する調査研究は古くから積極的に進められてきた。分布・回遊、年齢・成長・寿命、成熟・産卵に関する知見は、学術論文や報告書として蓄積されており、資源評価の基礎情報として利用可能である。漁獲量・努力量データの収集、定期的な科学調査、漁獲実態のモニタリングも毎年行われている。このように定期的に収集される漁業調査データに基づき、四半期別・漁法別漁獲量、各漁業による漁獲物の体長頻度データ、及び標準化された資源量指数が推定され、統合モデルを使用した資源評価が3年ごとに実施されている。
産卵資源量は1971年と1999年にピークがあり、2010年にも小さなピークを示しその後横ばいである。資源の水準・動向は中位・横ばいと判断された。
限界管理基準値(漁業がないと仮定して推定した現在の資源量の20%)に照らして、現状の漁獲の強さは過剰ではなく、資源も乱獲状態にはないと結論されている。