サスティナブルでヘルシーなうまい日本の魚プロジェクト

Sustainable, Healthy and “Umai” Nippon seafood project

サスティナブルでヘルシーな
うまい日本の魚プロジェクト

地域の持続性

ズワイガニ(鳥取県)

漁業生産の状況

 日本海A海域におけるズワイガニは、沖合底びき網漁業によって主に漁獲されており、主要な生産県は石川・福井・京都・兵庫・鳥取であり、漁業収入については比較的高い水準で推移していたが、収益率と漁業関係資産のトレンドは当該海域のデータが得られなかった。全国平均値を用いた結果、収益率のトレンドは低く、漁業関係資産のトレンドも低かった。経営の安定性については、収入の安定性・漁獲量の安定性はともにやや高かったが、漁業者組織の財政状況はデータが得られなかった。操業の安全性は高かった。地域雇用への貢献は高いと判断された。労働条件の公平性については、漁業で特段の問題はなかった。

引用文献▼ 報告書

加工・流通の状況

 各県とも多くの小規模市場がある。水揚げ量が少なく、自ずと仲買人も少ない。このような小規模市場では漁獲物の特性によって仲買人がセリ・入札に参加しない可能性があり、セリ取引、入札取引による競争原理が働かない場合も生じる。一方、水揚げ情報、入荷情報、セリ・入札の開始時間、売り場情報については市場関係者に公表されており、取引の公平性も担保されている。カニ類の輸入関税率は基本6%であるが、冷凍物についてEPAによりメキシコ、オーストラリア、ペルーで無税、ASEANで4%となっている。また輸入の際、事前確認品目に挙げられている。卸売市場整備計画により衛生管理が徹底されている。ほとんどは生産または活で出荷され、ほかに浜ゆでと呼ばれるボイル加工がある。労働の安全性に対する評価は中程度であり、労働条件の公平性は比較的高いと評価された。以上より、本地域の加工流通業の持続性は概ね高いと評価できる。

引用文献▼ 報告書

地域の状況

 先進技術導入と普及指導活動は行われており、物流システムも整っていた。地域の住みやすさは中程度かやや高く、全体平均では3点であった。水産業関係者の所得水準は高い。地域文化の継承であるが、手繰網は江戸時代から行われて明治時代に機械化されて今日に至り、地元でのメスガニや水ガニの食文化は、民宿による地産地消に引き継がれている。

引用文献▼ 報告書