沖合底びき網漁業1そうびきは大臣許可漁業でありトン数別の隻数が定められ、省令で操業禁止海域、期間等が設定されている。さらに、本資源については漁獲努力可能量(TAE)制度により7・8月の漁獲努力量が制限されてきた。自主的な措置として資源回復計画で取り組んできたイカナゴを対象とした操業期間の短縮等の措置を採ることとされ、減船も実施された。以上のとおりインプット・コントロールが成立している。宗谷海峡海域でイカナゴを漁獲する沖底について、コッドエンドの網目制限が設けられていることからテクニカル・コントロールが導入されている。関係漁業者団体による環境修復活動が行われている。
本資源はロシア水域にまたがって分布しており、生息域全体をカバーした管理体制は存在しない。沖底の取り締まりについては主に水産庁が実施している。関係法令に違反した場合、有効と考えられる制裁が設定されている。改正漁業法では大臣は資源管理について現行の取り組みの検証を行い必要に応じて取組内容の改善を図るとされており、さらに漁業者による資源管理協定(今後締結予定)の参加者自らによる実施状況の検証、改良、報告が行われるよう指導するとあるため、資源管理を順応的に行う仕組みが作られている。
すべての漁業者は漁業者組織に所属しており、特定できる。本資源に対して自主的な管理が実施されており漁業者組織の管理に対する影響力は強い。漁業関係者は本資源の自主的管理、公的管理に主体的に参画している。幅広い利害関係者が資源管理に参画し、漁業者が管理施策の意思決定に参画する仕組みが存在している。