キンメダイは一都三県の沿岸や島嶼部を中心に漁獲される重要種であり、資源生態に関する調査研究は古くから進められてきた。年齢・成長、成熟に関する知見は多いが産卵および初期生残、環境要因とのかかわりなどさらなる調査研究が必要な項目もある。漁獲量・努力量データの収集、定期的な科学調査、漁獲実態のモニタリングも毎年行われているが、詳細な操業海域に関する情報は十分には集計されていない。このように定期的に収集される漁業データに基づき、年齢別漁獲尾数が推定され、年齢構成資源動態モデルを使用した資源評価が毎年実施されている。
水準判断は一都三県の過去42年間の漁獲量の推移から、また、1998年以降の年齢別漁獲尾数を用いたコホート解析が行われており、水準・動向は低位・減少と判断されている。
キンメダイは現状の漁獲圧で漁獲を継続すると資源水準が減少されると推定されており、資源の枯渇リスクは高いと考えられる。