サスティナブルでヘルシーなうまい日本の魚プロジェクト

Sustainable, Healthy and “Umai” Nippon seafood project

サスティナブルでヘルシーな
うまい日本の魚プロジェクト

漁業の管理

メバチ(神奈川県)

管理施策の内容

 遠洋、近海まぐろはえ縄漁業は大臣許可漁業である。漁船のトン数や海域を示して操業していることから、インプット・コントロールが成立しているといえる。また中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)により、はえ縄漁業による我が国の漁獲枠は2016年の12,610トンから2017年の18,265トンに増枠された。近年の管理措置は暫定合意とされており、インプット・コントロール等が資源を有効に制御しているとまでは言えない。メバチ資源ではFAD(浮魚礁: Fish Aggregating Devices)操業に関心がむけられるが、FADについては禁止期間が短縮された。採捕してはならない魚種や海亀や海鳥の保存措置のため漁具の制限が決められている。漁業構造改革総合対策事業において燃油使用量の削減、抑制を漁業者団体が主導した。

引用文献▼ 報告書

執行の体制

 WCPFC、SPCとは水産庁国際課かつお・まぐろ漁業室を中心に連携している。メバチを漁獲する大臣許可遠洋、近海はえ縄漁業は水産庁国際課かつお・まぐろ漁業室で指導、監督している。遠洋、近海はえ縄漁業者は全国遠洋かつお・まぐろ漁業者協会、日本かつお・まぐろ漁業協同組合に、また全国近海かつお・まぐろ漁業協会に所属しその多くは沿海漁業協同組合にも所属する。管理体制が確立し機能している。遠洋、近海まぐろはえ縄漁業では農林水産大臣が命じたときは、オブザーバーを乗船させなければならない。ポジティブリストの掲載漁船で漁獲された証明書等による輸入事前確認手続きは水産庁で一元化された。日本が十分な監視体制にある中で、水産庁により中西部太平洋カツオ・マグロ資源管理能力強化支援事業が実施されている。漁業法関連法、省令に違反した場合、免許、許可の取り消しや懲役刑、罰金あるいはその併科となる。WCPFC、SPCによる管理目標、資源評価、管理措置等に従って資源管理指針を見直し、省令等を改定してきたことを順応的管理に準ずる施策と評価した。

引用文献▼ 報告書

共同管理の取り組み

 メバチ中西部太平洋を漁獲する漁業者は、全て公的に特定できる。漁業者は業種別漁業協同組合、協会等の団体に所属し、多くの近海まぐろはえ縄漁業者は沿海漁業協同組合にも属している。我が国の海洋生物資源の資源管理指針の下で漁業者は自主的に休漁等に取組んでおり、海外まき網漁業協会等では実効的な管理措置の実現に向けて漁業者団体自らが取りまとめ等している。漁業構造改革総合対策事業において、漁業者団体が課題をもって改革計画や実証事業を主導してきており、日本かつお・まぐろ漁業協同組合は日本かつお・まぐろ漁業協同株式会社を組織し、漁獲物の販売と適正魚価の維持のため販売事業に当たっている。自主的及び公的管理への主体的な参画も進んでいる。水産政策審議会資源管理分科会には利害関係者も参画しており、WCPFCの年次会合や科学委員会等へもNGOが参加している。

引用文献▼ 報告書