サスティナブルでヘルシーなうまい日本の魚プロジェクト

Sustainable, Healthy and “Umai” Nippon seafood project

サスティナブルでヘルシーな
うまい日本の魚プロジェクト

漁業の管理

マアジ(千葉県)

管理施策の内容

 ここではMCS+Eのうち、C(管理措置の内容)を公的管理と自主的管理の双方について評価した。北部太平洋海区大中型まき網漁業は、公的なインプット・コントロールとしての大臣許可、公的なアウトプット・コントロールとしてのTACに加え、様々な自主的なインプット・コントロールも設定され、沿岸の産卵域での操業は禁止されている。非着底漁具を用いた操業であるため、環境への影響は少なく、また、希少種の再放流措置も行われている。以上より、公的管理と自主的管理の組み合わせにより、高度な管理施策が導入されていると評価できる。

引用文献▼ 報告書

執行の体制

 ここでは漁業管理のMCS+EのうちS(遵守状況の監視)とE(罰則・制裁措置)を評価した。まず北部太平洋海区大中型まき網漁業の操業海域では、公的措置については水産庁が、自主的措置については北部太平洋まき網漁業協同組合連合会が一括して管理している。公的な監視措置として衛星船位測定送信機(Vessel Monitoring System)の設置・常時稼働義務や巡視船やセスナ機による監視、さらに自主的な監視措置として漁業者組織への毎日の報告やとも監視が行われ、管理措置の遵守が担保されている。さらに、TAC期中改定や操業ルールの修正をはじめとする順応的な管理も実現している。以上より、公的管理と自主的管理の双方について実効的な執行体制がある。

引用文献▼ 報告書

共同管理の取り組み

 本資源の75%を漁獲している北部太平洋海区大中型まき網漁業は、許可を通じてすべての漁業者が特定されており、そのすべてが北部太平洋まき網漁業協同組合連合会に所属している。同団体は自主的管理の意思決定や公的管理の執行などで強い影響力を有しており、また漁業経営やマーケティング、販売についても指導を行っている。同団体における自主的管理措置の意思決定、および行政による公的管理措置の意思決定に際しても漁業関係者が積極的に参画している。なお、マアジ太平洋系群の資源利用については、本漁業のほかには主たる利害関係者はおらず、他漁業や他セクター(遊漁やダイバー、環境NGOなど)との調整は必要ないため、現在の体制で実効的な共同管理の体制が構築できていると判断できる。以上より、共同管理の体制は非常に高い水準にあると評価できる。

引用文献▼ 報告書