本種は重要な水産資源であり、日本海では資源生態に関する調査研究が古くから進められてきたが、太平洋北部海域については資源評価に必要な最低限の情報しか得られていない。漁獲量・努力量データの収集、調査船調査等の定期的な科学調査、漁獲実態のモニタリングも毎年行われている。これらの定期的に収集される漁業データ、科学調査データに基づき、雌雄別齢期別資源量が推定され、資源動態モデルを使用した資源評価が毎年実施されているが、調査で局所的な分布がみられた場合に資源量推定値の変動が大きいという問題点がある。資源評価結果は、公開の場を通じて利害関係者の諮問やパブリックコメントを受けて精緻化され、算定されたABC(生物学的許容漁獲量)は、水産政策審議会を通じてTAC(漁獲可能量)設定などの漁業管理に反映される仕組みが確立されている。
1997~2010年漁期の漁獲対象資源量の最高値(2007年漁期の1,777トン)を高位と中位の境界、最低値(1997年漁期の496トン)を中位と低位の境界として資源水準を判断した。2015年漁期の漁獲対象資源量は905トンであったことから、資源水準は中位と判断した。また、直近5年間(2011~2015年)の漁獲対象資源量の推移から、動向は横ばいと判断した。
現状の漁獲圧で資源の維持および増大が可能であり、加入量の不確実性を考慮した将来予測の結果より、資源が枯渇するリスクは極めて低い。資源評価結果を受けてTACがABCに等しく設定されて、水産政策審議会で承認されており、不確実性を考慮した管理基準が設定されている。農林水産省令に基づく漁業管理に加え、様々な自主規制による漁業管理方策が策定、適用されている。また、遊漁や外国漁船の影響はなく、IUU漁業もみられない。