イカナゴ伊勢・三河湾系群は、愛知県・三重県の船びき網漁業で大部分が獲られている。漁業収入はやや低位で推移していた。収益率と漁業関係資産のトレンドについては、全国平均値の個人経営体のデータを用いた結果、収益率のトレンドは高く、漁業関係資産のトレンドはやや低かった。経営の安定性については、収入の安定性、漁獲量の安定性ともにやや低かった。漁業者団体の財政状況は高かった。操業の安全性は高かった。地域雇用への貢献は高いと判断された。労働条件の公平性については、漁業で特段の問題はなかった。
買受人は各市場とも取扱数量の多寡に応じた人数となっており、セリ取引、入札取引による競争原理は概ね働いている。取引の公平性は確保されている。関税は、冷凍は基本が3.5%であるが、各種の優遇措置を設けている。卸売市場整備計画等により衛生管理が徹底されている。仕向けは高級加工品と餌料であるが前者が多い。労働条件の公平性も特段の問題はなかった。以上より、本地域の加工流通業の持続性は高いと評価できる。
先進技術導入と普及指導活動は行われており、物流システムは整っていた。地域の住みやすさは全体平均で中程度であった。水産業関係者の所得水準は中程度である。漁具漁法及び加工流通技術における地域文化の継続性は高い。